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TRADITION

日本の伝統から学ぶ

江戸時代の美意識 ”粋(いき)”

よく “この人は粋だな~” とか、“粋を感じる作品だ” とか、
そういう表現をしますよね。

この“粋(いき)”ってなんでしょう。。。

気になったので調べてみました。

“粋(いき)”は「意気」から転じた言葉とされています。

「気性・態度・身なりがあか抜けしていて、自然な色気の感じられる様子」
「人情の機微に通じてさばけている様子」を指すそう。

※人情の機微に通じてさばけている。とは、分かりにくい人の心の微細な動き、物事の移り変わりをよく理解していて判断に優れている。ということ。

なるほどね、、、!


「粋(いき)」の他には
「粋(すい)」・「野暮(やぼ)」・「気障(きざ)」という言葉も。
かんたんに説明してみます。

「粋(すい)」 、、、
漢字は同じ粋ですが、粋(すい)は混じりけのないこと。
純粋で透明なもの。

「野暮(やぼ)」 、、、
粋(いき)の対義語とされ、
洗練されていないこと。人情の機微に通じないこと。

「気障(きざ)」 、、、
気取っていること。


と、いうことで、江戸の人たちは

「粋(すい)」ではなく、ひとひねり加えた「粋(いき)」を。
「野暮(やぼ)」ではなく、分別がある「粋(いき)」を。
「気障(きざ)」ではなく、決まりすぎていない「粋(いき)」を
『美』としていたのですね。


そう考えると「粋(いき)」ってなんて絶妙なのでしょう。
絶妙でありながら、深さを感じるよね。

完ぺきに決めたカッコよさや美しさでもなく、
分別があるけれど遊び心を忘れない「粋(いき)」。

日本はこの絶妙な “粋な美” がたくさん詰まった国だと思うのです。


((そうそう。裏エピソードをこっそり教えます。))

今回のブログの画像、
金魚袋を持った女性の絵を選んだのですが、
なぜだと思いますか?

金魚は「煮ても焼いても食えぬ奴」ということから、転じて
「一筋縄ではいかない奴」とか「ただ者ではない奴」という意味となり
江戸の間では “粋の象徴” としても知られていたから。


((さて、ここでお気づきの方もいるでしょう。。。。
金魚のことは触れずにおくのが “粋な人” 。
聞いてといわんばかりに「金魚にこんなアイディアが隠されてたんだよー。」と言う筆者は、つまり “野暮な人” っていうこと。
本当に粋(いき)って絶妙だ!))

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